日本人にはおなじみの胃薬の成分
S-メチルメチオニンやビタミンUと聞くとあまり馴染みがないように感じますが、もうひとつの別名は「キャベジン」といって、キャベツの絞り汁から抽出された成分なので、この名前がつけられました。日本人には同名の胃薬が馴染みがあると思われます。
S-メチルメチオニン(ビタミンU)の働き
ビタミンUはビタミンとよばれていますが実際にはビタミンの種類には数えられません。
ビタミンには「微量で動物の栄養を司り,しかも体内でつくられず,外部から取込まなければならない有機化合物」という定義があり、生物種ごとに成分に違いがあります。
そしてビタミン様物質とよばれるグループは、誤ってビタミンに認定された後にビタミンではないと判明したものを指し、ビタミンUなどはその典型的な例で当時は必須の成分だと考えられていたのですが、現在では名前にビタミンとはついていても、必須な栄養文ではないとされています。
そんなS-メチルメチオニンですが必須な栄養でないとされただけで、主な効果である胃酸分泌の調節や胃粘膜の修復、胃潰瘍の防止などは確かです。とくに胃薬の成分で配合されることが多いので、お世話になったことがある人は多いかと思います。
不足による影響
必須の栄養素ではないというのはすでに述べましたが、胃酸分泌の調節や胃潰瘍の防止などの効果は大変重宝します。また、摂取する際に気をつけることは、水溶性の成分なので水に溶けやすい点と熱に弱い点です。キャベツなどから取ろうとするときは調理方法にも気を使うと、栄養分を損なわずにすみます。
過剰摂取の影響
この成分にはとくに毒性や副作用はありませんが、薬品に含まれているときは薬物相互作用などに注意が必要です。