たんぱく質を分解し、成長を助ける
ビタミンB6は丈夫な体作りには欠かせないものです。また、ホルモンバランスをコントロールしてくれる働きもあるので、女性にとっては頼りになるビタミンとも言えます。
ビタミンB6の働き
ビタミンB6には食品中のたんぱく質の分解を即す働きがあるため、粘膜や髪、歯や爪を健康的に成長させることができます。また、糖質や脂質といったエネルギー源となるものが不足した場合には、ビタミンB6が働きアミノ酸を分解してエネルギーを作り出します。これは必要以上にたんぱく質を摂取した場合も同じです。
また、ビタミンB6には脂肪の代謝を助ける役割もあり、脂肪肝を予防する効果もあります。特に、アルコールを大量に摂取される方は脂肪肝のリスクが高く、さらに進行することで肝臓ガンに至る場合もあります。こうした治療にもビタミンB6は使用されています。
さらにビタミン12と葉酸を一緒に摂ることで、ホモシステインを抑制する効果があるとビタミンB6は言われています。コレステロールの低下なども報告されていますので、動脈硬化の予防には有効と言えるでしょう。
この他にも、免疫のバランスを整える効果がビタミンB6にはあると言われており、アレルギー症状の改善に役立つことがわかっています。特に小児ぜんそくの際の発作を防ぎ、免疫力を向上させると言われています。ただし、アレルギーの原因や症状はさまざまですので、B6を摂取するだけで完治するということはほとんどなく、症状の軽減などに利用されます。
女性の強い味方
特に女性にとってビタミンB6は重要と言われています。その一つの理由として、女性ホルモンのひとつであるエストロゲンの代謝を助け、バランスの調整に役立ちます。このおかげで月経前症候群といった、女性特有の不快症状を軽減できる効果があります。
また、妊娠中には、つわりなどの症状をやわらげる効果も認められています。脳神経の発達にも大きく関わってくるので、お腹の中の赤ちゃんにとっても摂取は非常に良いと言えるでしょう。
不足による影響
ビタミンB6は通常だと腸内細菌から作られるので、不足することはまずありません。しかし妊娠中などの場合は体がビタミンB6を多く求めるため、不足する場合もあります。ビタミンB6が不足すると代謝に異常が起こり、皮膚や粘膜に悪影響が出ます。その他神経系に影響が現れ、手足のしびれや睡眠、食欲や情緒などに異常がおこります。
過剰摂取の影響
ビタミン剤やサプリなどで過剰に摂取を行った場合、腎臓結石ができてしまったり、感覚神経障害が出たりします。人によって変わりますが、1日200~500mgといった大量の摂取はやめましょう。
ビタミンB6は丈夫で健康的な体を作りたい人にはオススメのビタミンです。さらに、女性特有の症状を緩和できる可能性もありましので、一度試してみてはいかがでしょうか?ただし摂取の際は適量に注意してください。
ビタミンB6を含む食品・食材
動物性食品
食品名 | ビタミンB6 |
---|---|
鶏・ささみ(生) | 0.66 |
鶏・皮なし胸肉(生) | 0.47 |
牛(肝臓・生) | 0.65 |
豚(肝臓・生) | 0.57 |
鶏(肝臓・生) | 0.89 |
室鯵(生) | 0.57 |
カタクチイワシ(生) | 0.58 |
鰹(生) | 0.76 |
真鯖(生) | 0.51 |
秋刀魚(生) | 0.51 |
本マグロ(生) | 0.85 |
カワハギ(生) | 0.45 |
単位:mg
植物性食品
食品名 | ビタミンB6 |
---|---|
にんにく(生) | 1.50 |
ピスタチオ(炒り・味付け) | 1.22 |
ひまわりの種子(揚げ・味付け) | 1.18 |
玄米 | 0.45 |
白米 | 0.12 |
そば粉 | 0.30 |
ゴマ | 0.60 |
落花生(乾) | 0.46 |
小豆(乾) | 0.39 |
小豆(茹で) | 0.11 |
大豆(乾) | 0.53 |
大豆(茹で) | 0.11 |
ひよこ豆(乾) | 0.64 |
ひよこ豆(茹で) | 0.18 |
単位:mg/100g
食事摂取基準 (μgRE/日)
性別 | 男性 | 女性 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
年齢 | 推奨量(RDA) | 目安量(AI) | 耐容上限量(UL) | 推奨量(RDA) | 目安量(AI) | 耐容上限量(UL) |
0~5(月) | – | 0.2 | – | – | 2 | – |
6~11(月) | – | 0.3 | – | – | 3 | – |
1~2(歳) | 0.5 | – | 10 | 0.5 | – | 10 |
3~5(歳) | 0.6 | – | 15 | 0.6 | – | 15 |
6~7(歳) | 0.8 | – | 20 | 0.7 | – | 20 |
8~9(歳) | 0.9 | – | 25 | 0.9 | – | 25 |
10~11(歳) | 1.2 | – | 30 | 1.2 | – | 30 |
12~14(歳) | 1.4 | – | 40 | 1.3 | – | 40 |
15~17(歳) | 1.5 | – | 50 | 1.3 | – | 45 |
18~29(歳) | 1.4 | – | 55 | 1.2 | – | 45 |
30~49(歳) | 1.4 | – | 60 | 1.2 | – | 45 |
50~69(歳) | 1.4 | – | 55 | 1.2 | – | 45 |
70以上(歳) | 1.4 | – | 50 | 1.2 | – | 40 |
妊婦(付加量) | +0.2 | – | – | |||
授乳婦(付加量) | +0.3 | – | – |
推奨量(RA):ある性・年齢に属する人々のほとんど(97%~99%)が1日に必要量を充たすと推定される1日の摂取量。
目安量(AI):ある性・年齢に属する人々が、良好な栄養状態を維持するのに十分な量。(特定の集団において不足状態を示す人がほとんど観察されない量。)
耐容上限量(UL):ある性・年齢に属する人々のほとんど(97%~99%)が、過剰摂取による健康障害を起こすことのない栄養素摂取量の最大限の量。