用語集

ビタミンB12(vitamin B12)

ビタミンB12の効果と多く含む食品

貧血の予防や神経機能や睡眠の正常化に役立つ

ビタミンB12は別名コバラミンとも呼ばれ、主に貧血の予防や神経機能や睡眠の正常化に役立ちます。貧血や生活習慣病でお悩みの方、もしくは妊婦さんなどにオススメのビタミンです。

 

ビタミンB12の働き

ビタミンB12には貧血予防の効果があります。葉酸と一緒になり赤血球を作る役割を持っていますので、どちらか一方が書けると貧血のもとになってしまいます。また、赤芽球(赤血球のもととなるもの)が大きくなりすぎてしまい、赤血球になれずに死んでしまうために起こる赤血球不足を巨赤芽球性貧血と言います。この病気も、ビタミンB12と葉酸を補給することで改善が見込めます。

神経機能の正常な意地にもビタミンB12は役立ちます。核酸、アミノ酸、そしてたんぱく質の合成を促すのです。ちなみに細胞の合成を助けるのは葉酸の仕事ですが、この働きを補助するのがビタミンB12の役割というわけです。また、肩こりや腰痛というのは末梢神経が傷つくことが原因の場合がありますが、ビタミンB12は末梢神経の治療という働きもしてくれます。この他にも手足のしびれや神経痛が起こっている場合はビタミンB12が治療薬として処方されます。

また、アルツハイマー型認知症患者の脳を調べると、ビタミンB12が非常に少なく、健康な人の25%で以下であったという研究結果もでています。これはビタミンB12が正常に脳を機能させることに関わりがあると考えられ、現在も研究が進められています。

ビタミンB12は睡眠にも関わっています。人は一定の睡眠と覚醒のサイクルをもって生活をしていますが、不規則な生活が続いてしまうとこれが乱れてしまいます。ビタミンB12の摂取により、このリズムが正常に戻ることがわかっています。

 

不足による影響

ビタミンB12の不足で最も恐ろしいのはやはり悪性貧血。ただの貧血とは違い下痢や息切れ、動悸やだるさの他に食欲の低下やめまいが起こります。舌が赤く腫れて炎症を起こすこともあります。また、神経系にも悪影響を及ぼし、集中力がなくなったり手足がしびれたり。ついには物忘れが激しくなるなどの症状が現れます。この他にも動脈硬化が進むきっかけとなり、生活習慣病にも繋がってしまうと言えます。

しかし、ビタミンB12は体内の腸内細菌がつくり肝臓で蓄えられるので、不足という事態はほとんど起こりません。しかし胃の切除を行った方や高齢により萎縮してしまっている方、その他不全や病気をお持ちの場合には不足が見られるケースもあり、この場合は注射やサブリでビタミンB12を補うことが求められます。

 

過剰摂取の影響

過剰摂取に関しては特に問題はありません。

 

貧血や睡眠、神経系でお悩みの方は、ビタミンB12を摂取する事で症状の改善が見込めるかも知れません。ぜひ一度お試しください。

 

ビタミンB12を含む食品・食材

動物性食品

 

食品名ビタミンB12
赤貝(生)59.2
牡蠣(養殖・生)28.1
ハマグリ(生)28.4
ホタルイカ(生)14.0
しじみ(生)62.4
北寄貝(生)47.5
ウルメイワシ(生)14.2
めざし(生)14.6
イクラ47.3
さんま(生)17.7
ニシン(生)17.4
牛(肝臓・生)52.8
豚(肝臓・生)25.2
鶏(肝臓・生)44.4

単位:μg

植物性食品
食品名ビタミンB12
焼き海苔57.6

単位:μg/100g

食事摂取基準 (μg/日)
性別男性女性
年齢推奨量(RDA)目安量(AI)耐容上限量(UL)推奨量(RDA)目安量(AI)耐容上限量(UL)
0~5(月)0.40.4
6~11(月)0.50.5
1~2(歳)0.90.9
3~5(歳)1.01.0
6~7(歳)1.31.3
8~9(歳)1.51.5
10~11(歳)1.81.8
12~14(歳)2.32.3
15~17(歳)2.52.5
18~29(歳)2.42.4
30~49(歳)2.42.4
50~69(歳)2.42.4
70以上(歳)2.42.4
妊婦(付加量)+0.4
授乳婦(付加量)+0.8


推奨量(RA):ある性・年齢に属する人々のほとんど(97%~99%)が1日に必要量を充たすと推定される1日の摂取量。
目安量(AI):ある性・年齢に属する人々が、良好な栄養状態を維持するのに十分な量。(特定の集団において不足状態を示す人がほとんど観察されない量。)
耐容上限量(UL):ある性・年齢に属する人々のほとんど(97%~99%)が、過剰摂取による健康障害を起こすことのない栄養素摂取量の最大限の量。

 

参考リンク

ビタミンB12解説(「健康食品」の安全性・有効性情報)

ビタミンB12(グリコ)