水と健康

水素水の流行はホンモノ?その実態とは

最近では水素水が健康に効果があるとして、人気になっています。一方では水素水にはそこまで大きな効果はないと喧伝する人もいます。実際はどうなのでしょうか。今回は水素水の実態について紹介します。

水素水とは

水素水は文字通り水素が入った水です。専門的な言い方では「水素豊富水」とよばれます。水に水素分子が入っている水で、どれくらいの水素が溶け込んでいるかには「ppm」がよく使われます。ppmが高い水素水ほど水素含有率が高いので、より健康への効果が期待できます。水素で特に注目されている効果は人間が生きていくうえで必ず発生し、様々な病気や老化の原因になると言われている有毒な「活性酸素」と結びついて反応し、無害化させる効果です。水素には高圧力をかけていないと水に溶け込まず、空気中に逃げ出してしまう性質があります。そのため、水素水と一口にいっても水素の量にばらつきがあり、ほとんど水素が抜け出してしまっているものもあります。水素がほとんどはなくても水素水を標榜している商品が多数存在していたため、「日本分子状水素医学生物学会」という水素や水素水についての研究や規定を行っている組織は、水素が0.08ppm以上含まれていることを水素水の条件としました。販売されている水素水の製品はこの基準をクリアしています。

水素水の効果

水素水には活性酸素を抑制する効果があるといいましたが、そのほかにはどういった効果が期待できるのでしょうか。

ミトコンドリアの活性化

人間の活動にはミトコンドリアが生み出すエネルギーが欠かせません。しかし、加齢や体質など様々な原因でミトコンドリアは質や数が低下してしまいます。水素水を飲むことで、水素がミトコンドリアを刺激し、活性化させることができるといわれています。ミトコンドリアが活性化すると糖や脂肪の消費量が増加し、より多くのエネルギーを生み出します。

ダイエット効果

水素水によってミトコンドリアが活性化すると糖や脂肪の消費量があがるため、体に脂肪がつきにくくなるともいわれています。飲み続ければ体に蓄積された脂肪も徐々に使用されるようになるため、ダイエット効果が期待できます。特に運動では減らしにくい内臓脂肪を消費するので、体型や健康が気になる人にはオススメです。

生活習慣病などの予防

活性酸素による体の酸化は、生活習慣病などの多くの病気に罹患する確率が上昇します。水素水には抗酸化作用があるため、活性酸素を抑制できます。現代人にとっては他人事とは言えない生活習慣病を水素水で予防しましょう。

水素水が怪しまれる点

では、反対に水素水には健康効果などはないと怪しまれる原因は、どういった点にあるのでしょうか。

水素の効果がわかりにくい

水素水の効果は最低でも2週間ほどは飲まないと効果が実感でいないとされていて、人によってはそれよりも長くかかってしまうことがある点です。飲む期間が長いので、健康になっても果たして水素水の効果なのかが極めてわかりにくいです。
また、人の体には「プラシーボ(偽薬)効果」というものがあります。これは「思い込みで病気などに改善がみられる」という効果です。消費者は実際は水素水で健康になっているのではなく、プラシーボ効果によって健康になっているのではないかという指摘が多くあります。こういった観点から水素水の効果が分かりにくいので怪しまれています。

水素が見えない

水素が目に見えないほど小さい成分のため、水素水に水素が本当に入っているかどうかがわかりません。ppmという単位はありますが、まだまだ消費者だけでは判断しにくいです。最近では水素水と銘打って、水素の入っていない水を売りつける悪質なビジネスが多いことからも疑いの視線が強まっています。この他にも水素水の研究が進んでいない、本格的な臨床実験が行われていないなどの問題もあります。

おわりに

今回は水素水の実態について紹介しました。水素水に本当に効果があるかどうかは今後明らかにされていくとされています。過剰に効果を信じたり、疑ったりしないようにしましょう。