ヨーロッパのパンは名称もさまざま
日本の主食はお米ですが、ヨーロッパの主食といえば、なんといってもパン!ヨーロッパ中央部には平原が広がっており、特にフランスはEUの穀倉と呼ばれるほどの小麦生産国です。ヨーロッパ北部は寒いので、小麦以外にも大麦を生産しているところも多く、ドイツのパンなどはいわゆる黒パンが主食です。デンマークでは、「スモーブロー」と呼ばれるライ麦パンが主食です。ヨーロッパと一口に言っても、パンに関してはお国柄が出る部分です。
一番有名なのは、フランスの「バケット」でしょうか。フランス人は行きつけのパン屋さんが必ずあって、毎朝バゲットを買いに行くのが日課と言われています。
バゲットはハードなフランスパンの代表ですが、他にもよく食べられているのが定番の「クロワッサン」ですね。バターたっぷりのクロワッサンは子どもも大好きで、チョコレートが入った「パン・オ・ショコラ」はおやつの定番でもあります。
ドイツでも定番の黒パンの他に意外と多くの菓子パンが売られています。ベルリンで好まれるのがその名も「ベルリナー」と呼ばれるパンです。ドーナツの一種で砂糖がたっぷりまぶされたジャム入りドーナツは、甘いもの好きなベルリンっ子の大好物です。また、「シュネッケ」と呼ばれるレーズン入りのデニッシュにたっぷりアイシングがかかった菓子パンも人気。駅のスタンドなどで手軽に食べられます。
美味しいパンの食べ方
パンは朝・昼・晩とヨーロッパでは必ず出てくるものですが、食べ方も国によってさまざま。オランダでは、「ブローチェ」と呼ばれる小さな丸パンや食パンを食べますが、食パンにはマーガリン+ハーゲルシュラッハと呼ばれるチョコスプレーをかけて食べます。ドイツでは、黒パンにハムやレバーのペーストを塗って食べることが一般的。「カルトエッセン」と呼ばれて、夜ごはんは火を使わない食事をとることも多いので、パンの上にのせるハムやチーズ類が豊富です。スーパーでもオープンサンドの上にのせる用のお惣菜がかなり売られています。
オープンサンドで食べるのは主にヨーロッパ北部が中心です。ノルウェーでは「フラットブレッド」と呼ばれるパンの上に、特産品であるサーモンなどをのせたオープンサンドがよく食べられます。
マーケットに行くとニシンをそのままパンにはさんだスナック感覚のサンドイッチなんかも食べられますよ。
パンはあまり焼かずに食べる?
それから、日本ではパンはトースターで焼いて食べることが多いと思いますが、海外では焼かずにそのまま食べるケースがほとんど。忙しいビジネスマンも、ランチは質素にパンにハムやチーズ、トマトなどの野菜をはさんだサンドイッチを食べることが多いです。ドイツでは朝食に駅前で売られている「プレッツェル」をかじっている人も。ちょっぴりハードめなパンですが、ドイツ人は一切気にならないようです。
ただし、まったく焼かないというわけではありません。イタリアでは昼食の定番は「パニーニ」。パニーニと呼ばれる小さめな白パンにハム&チーズをはさんで焼いて、熱々とろ〜りなサンドイッチを楽しみます。
おわりに
ヨーロッパでは、パンは生活の一部です。どの都市に行っても、街を歩けばパン屋さんにあたります。パン屋さんでは店員さんにお願いすると好みの厚さに切ってもらえます。好きな量を購入することができますし、パン屋さんには菓子パンも豊富。
ちょっとしたケーキなんかもあって、カフェが併設されているところも。休憩したいときはパン屋さんに立ち寄るのもおすすめです。イギリスでは、スナック感覚で食べられるスパイスの効いたお肉をつめたミートパイも人気。その土地に行ったら、その土地特有のパンを満喫したいところですね。