食の知識

インド料理から学ぶ初心者のためのスパイスの選び方

インド料理から学ぶ初心者のためのスパイスの選び方

料理に使う調味料には塩や砂糖、植物の種子を乾燥させたスパイス類、同じく植物の葉を乾燥させたハーブ類などがあります。

ここで扱っていくスパイスは、漢字で「香辛料」と書くように香りと辛味をつけるための調味料。実は料理の味にはそれほど影響しないものがほとんどです。でも、料理に限らずちょっとひと工夫を加えることを「スパイスを効かせる」と表現することがありますよね。
必ずしも必要なわけではないけれどあればより完成度が高くなる。それがスパイスというものなのです。スーパーの調味料コーナーにずらりと並ぶ色とりどりのスパイス類。使ってみたいけど、どれから手を出せばいいのかわからない…。そんな初心者さんでも使いやすい基本のスパイスを、本場のインド料理を参考にいくつか選んでみました。

エスニックな香り付けには「クミンパウダー」

一説には「世界で一番使われているスパイス」と言われるほど汎用性の高い「クミン」。インド料理だけでなくスパイシーなエスニック料理全般に使われますが、特に「カレーをカレーらしい香り」に仕上げるには欠かせません。

家で本格的なカレーを作るほどではなくても、お米と一緒にクミンを炒めればカレーによく合うクミンライスが完成。また、味や見た目はコショウに近いものがあるので、そのまま生野菜と和えれば、いつものサラダがエスニック風に。ホールタイプのものも売られていますが、初心者さんには扱いやすいパウダータイプがおすすめですよ。

きれいな黄色をつける「ターメリック」と「サフラン」

インド料理って、黄色や赤など鮮やかな色のものが多いと思いませんか?あの黄色が簡単に再現できるのが「ターメリック」や「サフラン」などの着色系スパイス。ガラムマサラやカレー粉といったミックス系スパイスにも、たいてい1つはこの着色系スパイスが入っています。ピラフをきれいな色に仕上げたり、日本のお漬物「たくあん」の着色にも使えるんだとか。独特の強い香りが気になる場合は、じゅうぶんに加熱してとばすようにしましょう。

とことんスパイシーに仕上げる「ペッパー」

スパイシーな料理にチャレンジしたいなら、「ペッパー系」を選んでみましょう。市販のスパイスには「ペッパー」の名がつくものはたくさんありますが、インド料理に向いているのはホットペッパーやレッドペッパー。
辛さをプラスすると同時に、食材を赤く色づけ料理を華やかに演出してくれます。色を付けたくない肉や魚料理にはブラックペッパーを、ちょっと柔らかな辛さを出したい時はホワイトペッパーやグリーンペッパーも使えますよ。

これが使いこなせたら中級者!?「コリアンダー」

コリアンダーは、インド料理のチェティナードゥやマサラ・ドーサのディップ用ソースなどに使われるスパイス。葉の部分のパクチーは好みの別れる香りですが、種子部分のコリアンダーはほんのり甘い香り。ちょっと柑橘系の酸味も加わりますので、ピクルス作りや肉料理の風味づけに、と常備しておけば意外と出番は多そうです。

おわりに

ここで紹介したクミン、ターメリック、ペッパー、コリアンダーなどはインド料理でもよく使われる基本のスパイス。「これさえあればたいていのものは作れる」とプロの料理人が言いいますが、実はスパイスってたくさん使えば使うほどおいしくなるという訳ではないんです。
どれも個性的な香りが強いスパイスたち、上手にブレンドすれば互いの香りを引き立ててくれますが、相性の悪いもの同士をぶつけてしまえば逆効果になってしまいます。
まずは最低限必要な基本のスパイスを揃え、量や入れるタイミング、食材との相性などの勘を身につけていくことがスパイス名人への近道です。揃えたスパイスを一通り使い終わったらまた1本、もう1本、とちょっとずつ買い足して料理の幅を広げていってくださいね。

参考リンク

インド料理のスパイスについて(インド料理ガンジス)