食の知識

大人気の塩麹と塩レモン 作り方と使い方

大人気の塩麹と塩レモン 作り方と使い方

どんな業界にもある一時的なブームや流行。そのうちごく一部のアイテムだけが定番化して生き残っていくわけですが、どうやらお料理の世界でも「塩麹」と「塩レモン」がそのポジションを築きつつあるようです。

どちらも「放置しておくだけ」のシンプルな作り方と工夫次第でいろんな料理に使える自由度の高さがウケて、いまや一家に一瓶は当たりまえの常備調味料。

「今さら作り方なんて聞けない!」という人のために、この2つの調味料の簡単な作り方と使い方をまとめてみました。
毎日のお料理の幅を広げてくれる塩麹と塩レモン、ぜひマスターしてみてくださいね。

塩麹の作り方は?

「麹」とは穀類(米や麦)に麹菌を植え付けたもの。それと塩を1:3の割合で合わせて発酵したものを塩麹と呼び、日本では糠床や調味料としてずっと以前から使われていました。

「材料」

  • 麹(適量)
  • 塩(麹の三分の一程度)
  • 水(麹と塩が浸かる程度の量)

「作り方」

  1. 麹と塩を混ぜて水に浸し、常温で10日~放置する
  2. 1日1回かき混ぜる(材料が頭を出してきたら水を足す)
  3. 麹がドロドロに溶け、全体が飴色になってきたら完成

塩麹の使い方は?

最初にチャレンジしたいのは、そのほんのり甘辛い味を活かしてシンプルに調味料として使う方法です。魚やお肉に塩の代わりに塗ったり、ちょっとアレンジしたいならオリーブオイルと玉ねぎのみじん切りと合わせて風味豊かなドレッシングに。麹のデンプン質は焦げ付きやすいので、焼き物に使う時は火加減に注意してくださいね。

そして、もうひとつが消化酵素を利用した「糠床」としての使い方。
麹菌が発酵する時に作られる消化酵素(アミラーゼやプロテアーゼ)には、デンプン質やたんぱく質を分解する作用があります。
とり胸肉を塩麹で漬けこめば、いつもより柔らかくほんのり甘い仕上がりになりますよ。長時間(一晩)漬け込む時は塩が入りすぎるので少し水で薄めておきましょう。

塩レモンの作り方は?

遠く離れたモロッコで誕生し、今や世界中で広く使われている塩レモン。本場では料理の臭み消しの役割が強いそうですが、日本ではそのちょっとおしゃれな見た目も人気です。

「材料」

  • 国産レモン(無農薬のもの)
  • 粗めの塩(レモンの15~30%目安)

「作り方」

  1. レモンを洗って半分は輪切り、半分は10等分程度の乱切りにする
  2. 塩とレモンを交互に重ね、最後に塩を振りかける
  3. 常温、冷暗所で3週間以上熟成させる(数日に一度かき混ぜる)

塩レモンの使い方は?

さわやかな酸味が特徴の塩レモン。基本的には普通の「塩」と同じ感覚で使ってかまいませんが、特に本場モロッコでよく食べられている豚肉、鶏肉や、臭みの気になる魚類とは相性抜群です。
普段は塩コショウで味付けしている炒め物に使えばレモンの酸味が程好いアクセントになりますし、とり肉の下味に使えば臭みを消して柔らかく仕上げてくれます。

シンプルなパスタに使えば見た目も華やかになってよいですね。
また、乳製品との相性も良いのでマヨネーズやヨーグルトと混ぜてドレッシングにするのもOK。そしてここ数年流行りの塩スイーツづくりにも使えてしまうという優れものです。

おわりに

塩麹は江戸時代から、塩レモンはモロッコを中心に地中海地方で古くから使われていた調味料。
その歴史は意外と古いんです。
再びこうして日の目を見るようになったのは、ここ最近の健康志向の高まりで発酵食品が見直されていること、そしてどちらも簡単に作れてアレンジがしやすいことなどが理由かもしれませんね。

最後に少し注意点があります。
どちらも防腐剤を使わずに長期保存が可能な発酵食品ですが、明らかな変色や腐敗臭があった場合は使用を控えてください。
また、雑菌が混入すると傷みが早くなるので、調味料を入れる容器はきちんと煮沸消毒し、保存するときは空気にふれないようしっかり密閉しておきましょう。

参考リンク

液体塩こうじブランドサイト(ハナマルキ)

食べよう! 天塩 塩レモン(株式会社 天塩)