お茶はもともと、中国で薬として食べられていたと伝えられています。
漢方薬の基礎を作ったと言われる神農帝が、人間に合うものかを確かめるために山野の草や木の葉を食べ、1日に多くの毒に侵された際にお茶の葉を食べて解毒していたそうです。
緑茶には健康に良い成分がたくさん含まれていると考えられ、実際に最近の研究で様々な効果・効能が認められています。
ここでは、その効果・効能についてご紹介していきたいと思います。
緑茶に含まれる成分とは
まずは、緑茶に含まれている成分にはどのようなものがあるのか、見ていきましょう。
代表的な成分として、以下のものがあります。
- 渋味の成分であるカテキン
- 苦味の成分であるカフェイン
- 甘みの成分であるテアニン
この3種類が代表的な緑茶の成分であり、その他の成分として、以下のようなものが含まれています。
- ビタミンC
- ビタミンB2
- ビタミンE
- 葉酸
- βカロテン
- サポニン
- ミネラル
- フッ素
- GABA(y-アミノ酪酸)
- クロロフィル
主にこのような成分が含まれており、これらの成分が身体にいい影響を与えてくれるため、健康のためにもお茶を飲みなさいと言われるのですね。
特に初めに挙げた3つの成分はとても優秀な成分で、メディアなどで注目されている成分でもあります。
緑茶に期待できる効能とは
では、上記のような成分は、私達の身体にどのような良い影響を与えてくれるのでしょうか。
緑茶の主要な成分の効能について、チェックしてみましょう。
カテキン
カテキンは、お茶独特の渋味を出している成分で、高い抗菌作用・抗酸化作用があります。
インフルエンザを予防、がん予防、血中コレステロールや体脂肪の低下、血圧・血糖値上昇を抑制するなど、様々な効能が認められています。
がん予防においては、緑茶に含まれているカテキンとポリフェノール、ビタミン類が作用すると言われています。
静岡県立大学では、緑茶のポリフェノール・カテキン類が、発がん性物質の働きを7割から8割抑制(場合によって)することを確認しています。
このカテキンは、日光を多く浴びて育ったお茶の葉に豊富に含まれており、夏頃に摘み取られるお茶の葉で作られた緑茶には、より高い効能を期待することができると言えます。
カフェイン
カフェインと聞くと、コーヒーを想像する方も多いのではないでしょうか。
カフェインはお茶の苦味を出している成分で、コーヒーではなくとも、お茶にもたくさん含まれているのです。
血液循環を良くし、疲労感やストレスを解消、判断力や記憶力を高めてくれます。
仕事中や勉強中にお茶を飲むと気分転換になると言われているのは、カフェインにこのような働きがあるためです。
カフェインは、若い芽を摘んで作られる抹茶や玉露などには、特に豊富に含まれています。
テアニン
テアニンは、緑茶の甘みを出している成分です。
このテアニンには、神経細胞保護作用やリラックス作用があると言われています。
その証拠に、リラックスしている状態の時に発せられるα波が、テアニンを摂取した際には増大したという結果が出ています。
お茶を飲んでホッとするというのは、ただ単に昔の人が言っていた言葉ではなく、実際に証明されていることなのですね。
日光にたくさんあたると、テアニンはカテキンへと変化していきます。そのため、日光をできるだけ当てないようにして作られたお茶の葉には、テアニンが豊富に含まれています。
その他、どんな効能があるの?
上記3種類の成分の効能以外には、どのようなものがあるのでしょうか。
- 抗酸化作用
- 皮膚や粘膜の保護と維持
- 先天性異常のリスク低下
- 動脈硬化の予防
- 虫歯の予防
- 口臭の予防
- 消臭作用
- 美肌効果
緑茶を飲むことで、このような効能を期待することができます。
古くから親しまれている緑茶には、とても多くの嬉しい効能があり、今までずっと日本人に愛されてきた理由が分かります。
おわりに
緑茶には様々な効能がありますが、1日飲んだだけではその効能を期待することは難しいと言えます。
即効性が有る無しではなく、身体に良い飲み物として、長期的に飲み続けていくことが大切です。
とはいえ、飲み過ぎもあまり良くありませんので、1日5杯程度を飲み続けるようにしてみてくださいね。