日本の水道水は塩素で消毒されているので、必ず水中に塩素が含まれています。
これは終戦後にマッカーサーからの命令で、塩素を注入することになったのが発端でした。
しかし日本以外の国々では塩素に対する考え方が様々で、浄水の方法自体も違っていて塩素を全く使わずに天然の水を水道水として使っている国もあります。
海外の国と日本の国との水道水の塩素注入の違いは歴然としており、それは塩素濃度の基準から見て明らかにわかります。
日本は0.1ppm以上が基準とされており下限だけで上限が設けられていないのに対し、アメリカやフランスでは0.1ppm以下、ドイツでは0.05ppm以下という基準で上限だけが設けられています。
そして、世界的にも水質が良い事で知られているヨーロッパでは塩素消毒を行いません。
海外では何故、塩素の量が少なかったり、塩素を使わない国が多いのでしょうか。
それには浄水基準が日本と違っていたり、浄水過程の違いや、採水している環境の違いなどが挙げられます。
海外で水道の水を出したら濁っていてびっくりしたとい話はよく耳にしますが、こんな事は日本では考えられず、よほど古い家で水道管が錆びているのを放置したり、または何十年も使われていない水道水というケースでしかあり得ません。
ろ過する工程なども海外とは異なるため、こういったケースは十分に起こり得る事であり、塩素も少ないという事で飲む事ができない水道水が多いのです。
また、日本では科学的な成分を用いた、短時間で水をきれいにする急速ろ過が行われていますが、海外では自然の力を利用してじっくりと時間をかけてろ過する緩速ろ過が行われているところも多く、ヨーロッパのように塩素を使わなくてもきれいな水道水として使えるような工夫がされています。
海外では塩素があまり積極的に使われていないという事で、飲めない水道水が多いと考えられますので、飲用可能だと言われている水道水の国へ旅行に行く際にも、念のために調べてみる必要はあるでしょう。