人間は激しい運動をしていなくても体から水分が失われています。気をつけないと室内でも脱水症状になってしまうこともあります。1日にどれくらいの水分を摂取すれば予防できるのでしょうか。
今回は人間が1日に必要な水分と失われる量について紹介します。
体に水分が必要なわけ
人間の体は約60%が水分です。体内の水分は体中に栄養などを運ぶ、体内の老廃物や毒素を排出する、汗などで体温を調節するなど、非常に多くの役割を担っていて、生命活動と密接に関わっています。
そのため、体の水分が5%ほどを失ってしまうだけで軽度の脱水症状が表れます。水分が不足している状態がつづき、体の水分を20%以上失ってしまうと命を落とすケースもでてきます。人間の体にとって水分はとても大切な存在です。
一日に必要な水分の量
人間は一日にどれくらいの水分が必要になるのでしょうか。一般的には成人の場合は「体重1kgにつき50ml」とされていて、60kgの人は一日におよそ3Lは必要になります。3Lの水を毎日飲むのは難しいかもしれませんが、食事でも水分は1Lほど摂取可能なので、意識して水を飲むようにすれば達成できると思います。
また、子供の場合は「体重1kgにつき100~120ml」になります。大人に比べると体の水分量が多く、割合にすると約70~75%になるので、たくさんの水を飲む必要があります。子どもを脱水症状にしないためにも、大人がサポートしてあげるようにしましょう。
一日に失われる水分量
激しい運動や長い時間入浴していなければ、体から多くの水が失われているような感覚はありません。しかし、実際はあまり体を動かすことのないデスクワークでも8時間で約480mlほどの水分が失われています。同じように失われるイメージのない睡眠でも寝汗が原因で約350mlも水分がなくなっているので、水分が人間の体から失われやすいものだということが分かります。
また、大量に水分が失われるのは入浴と運動で、40℃の風呂に10分間浸かっているだけで約500ml、運動にいたっては炎天下に2時間半ほどで約1500mlmもの水分が体から失われます。入浴や運動をする際には必ずこまめに水分をとるようにして、脱水症状を防ぎましょう。
効果的な水分のとり方
一日に必要な量の水を効果的に摂るには、水分の摂取を習慣に組み込むのが効果的です。目が覚めたらまずはコップ一杯の水を飲んで寝ている間に失った水分を補給する、昼食や夕食と合わせて水分をとる、入浴の前後に水分をとって脱水症状を防ぐ、睡眠中は水分補給ができないので寝る前に飲むなどが、おすすめの水分補給のタイミングです。健康のためとはいえ、水を一度にたくさん飲んでしまうと、内臓に負担がかかったり、体内の塩分濃度が影響を受けて体調を崩してしまったりします。適量をこまめに飲むためにも、自分で水分補給のタイミングをつくりましょう。
また、水分補給をするときはなるべくコーヒーや紅茶などのカフェインを多く含む飲み物は避けるようにしましょう。カフェインには利尿作用があり、せっかく水分補給してもそれ以上に水分が失われることになってしまいます。糖分の多いジュース類などもたくさん飲むと、生活習慣病をはじめとする様々な病気の原因になりかねないので、飲むのを控えるようにして、水やお茶などで水分補給をしましょう。
おわりに
今回は人間が1日に必要な水分と失われる量について紹介しました。知らないうちに体から水分が失われていて、脱水症状になっていることもあります。適度に水分補給をすることを心がけて、健康的に暮らしましょう。